便秘への対処方法
便秘は、特定のがん治療や薬の使用によって起こることがあります。また、活動レベルや食習慣の変化も便秘の一因になることがあります。便秘とは、普段より腸の動きが悪くなったり、便が固くなって排泄がしづらくなったりする状態です。便秘になったときに役立つヒントをいくつかご紹介します。
水分をたくさん取る
- 毎日出来れば2リットル程度の水分を取るように心がけましょう。
- 水、炭酸水、フレーバーウォーター、ジュース、お茶、コーヒー、栄養補助飲料など、いろいろな種類の飲み物を取り入れるようにしましょう。
- 栄養補助飲料の中には、すっきりとした口当たりのテイストで飲みやすいものや、ホエイプロテイン入りでたんぱく質も摂取できる製品もあります。
- 温かい飲み物は腸を刺激するのに役立つ可能性があります。お茶、コーヒー、温めたプルーンジュースなども試してみましょう。
食物繊維を意識して摂取する
- 食物繊維は腸を刺激し、便秘の緩和や予防に役立ちます。
- 厚生労働省が定めた食事摂取基準(2025年版)において、一般的な成人の食物繊維摂取量は、男性で18-64歳が21g以上、65歳以上が20g以上、女性で15-64歳が18g以上、65歳以上が17g以上とされています1。
- 急に食物繊維の摂取量を増やすと、腹痛や不快感の原因となることがあります。食物繊維が豊富な食品を1日に1つずつ加えていくことで、体を徐々に慣らしていくようにしましょう。
- 食物繊維の中でも、グアーガム分解物は「便秘気味の方のお通じを改善」したり、「食後の血糖値の上昇を抑える」ことが報告されています。
積極的に摂りたい食物繊維が豊富な食品のリスト
| 食品群 | 食物繊維が豊富な食品 |
| 果物 | リンゴ、バナナ、キウイフルーツ、いちご、みかん、ぶどう、ドライプルーン、ラズベリー |
| 野菜 | ごぼう、かぼちゃ、ブロッコリー、モロヘイヤ、おくら、キャベツ、レタス |
| 穀類 | 雑穀米、玄米、麦ごはん(押し麦・もち麦)、全粒粉パン |
| 芋類・豆類 | さつまいも、じゃがいも、大豆、小豆、ひよこ豆 |
| ナッツ類 | くるみ、アーモンド、ピーナッツ |
| 種子類 | ごま |
体を動かす
- 体を動かすことは、便秘の予防や緩和に役立ちます。軽い運動を日課に取り入れるようにしましょう。軽い散歩でも効果があるでしょう。
- 「がん患者さんのためのホームエクササイズ2」なども参考に、ご自宅から気軽に参加できるさまざまなエクササイズを探してみましょう。
医師に相談する
- 食物繊維が豊富な食品は満腹感をもたらすことがあるため、食欲がない場合、十分なカロリー摂取が難しくなることがあります。十分な量を食べるのが難しい場合には、別の対処法を相談するようにしましょう。
- また、がんの種類によっては、食物繊維をたくさん取ってはいけない場合がありますので、食物繊維が豊富な食品を食生活に取り入れる前に、かかりつけの医師に確認してください。
- 食事と運動だけでは便秘を緩和できないこともあります。市販の緩下剤、軟下剤、または食物繊維サプリメントの使用を開始する前に、かかりつけの医師に相談して自分に合ったものを見つけるようにしましょう。
参考:
1,厚生労働省 「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書, Ⅱ 各論 1 エネルギー・栄養素 炭水化物
2,国立がん研究センター中央病院ホームページ「がん患者さんのためのホームエクササイズ」
他の記事も読む
がん治療は生殖能力に影響する?
がん治療は、卵子・精子・生殖器を損傷する、ホルモン変化を引き起こす、子宮が妊娠を維持できなくするなど、さまざまな形で生殖能力に影響を及ぼす可能性があります。しかし、男女とも生殖能力を温存するために取れる対策があります。その内容と、どのような場合に推奨されるかについて詳しく学びましょう。1
がん治療後の職場復帰と社会復帰
がんの治療後、職場に復帰し、人付き合いを再開するには、多くの場合、調整と忍耐が必要になります。始めのうちは、疲れを感じたり、集中するのが難しかったりすることがあります。また、どこまで(そして具体的に何を)共有したいかを考え、伝えた(または他から知った)人からネガティブな反応(度を越して立ち入ってきたり、避けられるようになったりするなど)があった場合にどのように対処するか心づもりをしておく必要があります。1,2
野菜の栄養素を無駄なく取るための調理方法
調理方法によっては、治療中のがん患者さんにとって重要な食品の栄養素が大幅に失われることがあります。1食事は、体の機能維持に不可欠なビタミンや栄養素(特に回復に役立つもの)を取るための主な手段です。2
がん患者さんの生活の質向上に役立つサイコオンコロジー
心理社会的問題は、身体的にも精神的にもがん患者さんの生活に大きな影響を及ぼします。1
がん治療中の脱毛についてよくある質問
脱毛は、一部のがん治療で起こる可能性がある副作用です。脱毛についてよくある質問を挙げますので、答えを確認してみましょう。
がんの副作用を軽減するための補完代替医療
がん、アレルギー疾患、精神疾患のように、食事・運動などの生活習慣やストレスなどの社会環境など、さまざまな複合要因によって起こり得る疾患については、必ずしも容易に克服できない状況が生じることが多く、西洋医学だけではなく、健康食品、ヨガ、マッサージなどの各種民間療法が広く患者に利用されているという実態があります。これら各種の施術・療法を含む医学・医療体系が「補完医療(ほかんいりょう)」と総称されます。