がん治療を開始する前に栄養状態を改善するには
健康的な食生活を維持することで、治療が成功する可能性を大幅に高めることができますので、診断を受けたときから行動を開始しましょう。
健康的な食生活を維持することで、治療が成功する可能性を大幅に高めることができますので、診断を受けたときから行動を開始しましょう。患者さんの生活の質(QOL)を向上し、治療が成功する可能性を高めるには、体重減少と栄養障害を防ぐことが極めて重要です。ここでは、より健康的な食生活のために今できることについてご紹介します。1
栄養障害のリスク
手術 - 栄養障害は手術前の重大な危険因子です。栄養障害がある患者さんは、感染症やそれ以外の合併症を起こしやすく、入院期間が長くなる傾向があります。手術前と手術後の5~7日間、アルギニン、ヌクレオチド(核酸)、オメガ3などの免疫調節物質を含む栄養サプリメントを摂取することが、患者さんの術前準備や術後回復の助けとなります。サプリメントの摂取があなたにとって良いかどうかは、かかりつけの医師や栄養士にご相談ください。2
手術以外の治療 - 化学療法、放射線療法、免疫療法、およびその他のがん治療は、体重や筋肉量の減少につながり、結果的に栄養障害を引き起こす可能性があります。これらの治療による副作用の一部は食欲を低下させるため、食事の摂取に影響を及ぼすことがよくあるので、特に注意が必要です。がん治療を開始する前に栄養状態を改善するためには、たんぱく質を多く摂取し、必要な栄養素をすべて含んだバランスの良い食事(エネルギー量がより多いもの)を摂ることなどが役立ちます。栄養障害は、治療の有効性や副作用に対する抵抗力を低下させます。3
がん治療を開始する前に栄養障害を予防するには
治療開始前からすでにがんの影響によって何らかの副作用(特に食欲不振)が起こることがよくあります。食欲がないと、栄養障害を回避するためにカロリー摂取量を増やすことがさらに難しくなります。この問題への対処に役立つヒントには以下のようなものがあります4:
- 1日に5~6回、3時間ごとに食事を取りましょう。そうすることで、長時間何も食べずにいることがないようにします。
- 1日2リットルの水分(水、ココナッツウォーター、お茶、フルーツジュース/野菜ジュースなど)を摂りましょう。毎日の摂取量記録を日課にしましょう。糖分が入った飲料は摂取量に気を付けるようにしましょう。
- 野菜や果物を毎日食べるようにしましょう。野菜や果物は、ミネラル、食物繊維、ビタミンが豊富に含まれており、消化の改善に役立ちます。
- すでに食欲がない場合には、魚、赤身肉、鶏肉、卵、ヨーグルトなど、高カロリー・高タンパクの食品を優先的に摂るようにしましょう。
- 脂肪分や糖分を多く含む食品の摂取は控えましょう。
- 栄養サプリメントを摂取する必要性について、かかりつけの医師や管理栄養士に相談しましょう。
病気や治療の副作用を抑えるためにはどのような食習慣を取り入れたらよいかを学びましょう
がんと診断されたら、治療前や治療中の栄養摂取についてもっと学び、すべての疑問点を管理栄養士や医療従事者に質問することが重要です。かかりつけの医師に相談しましょう。
引用文献・参考
1 - 桑原節子.がんの栄養療法の概要.がん病態栄養専門看護師のためのがん栄養療法ガイドブック2019(改訂第2版),p98,南江堂,2019.
2 - Nestlé Health Science. Positive Impact Program (“Programa Impacto Positivo”).https://cbc.org.br/educacao-continuada/pip-programa-de-impacto-positivo/ [2025年5月閲覧]
3 - 丸山道生.化学療法の栄養面でのかかわり.がん病態栄養専門看護師のためのがん栄養療法ガイドブック2019(改訂第2版),p31₋40,南江堂,2019.
4 - Brazilian Ministry of Health/ INCA: José Alencar Gomes da Silva National Cancer Institute (“Instituto Nacional de Câncer José Alencar Gomes da Silva”). Patient and Caregiver Nutrition Guide (“Guia de Nutrição para Pacientes e Cuidadores”).
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