治療終了後に知っておくべきこと
治療終了後、今後のステップについてたくさん聞きたいことがあるのはごく普通のことです。ここでは、今すべきことや、この段階において生活の質向上のために取り入れられる習慣について学びましょう。
治療終了後、今後のステップについてたくさん聞きたいことがあるのはごく普通のことです。ここでは、今すべきことや、この段階において生活の質向上のために取り入れられる習慣について学びましょう。
がん治療後の経過観察について
がん治療が終了した後も、がんの転移や再発の可能性を確実に早期診断できるようにし、栄養状態や臨床状態を確認するために、経過観察が必要になります。加えて、身体的または精神的な遅発性の副作用を治療するために、さまざまな専門家の診察を受けることが不可欠です1-4。
医師の診察 - 腫瘍医が数年間にわたり経過観察を行います。必要な診察の頻度や継続期間は、がんの種類や健康状態によって変わってきます。医師は、起こりうる症状について患者さんにお話しし、血液検査や画像検査、および悪性細胞が残存したり再度現れたりしていないか確認するための検査を行います1-4。
副作用の治療 - 化学療法、放射線療法、免疫療法、およびホルモン療法では、副作用ががん治療後も持続したり、治療後に現れたりすることがあります。そのため、骨量や筋肉量の回復、栄養不足の改善、性機能障害の治療(特に前立腺がんや婦人科系のがん治療を受けた患者さんの場合)、合併症の治療などが必要になることがあります1-4。
心理療法および情緒的サポート - この治療後期間には、患者さんが通常の生活に戻るのに何らかの問題が生じることがあります。患者さんによっては、経過観察やモニタリングのための医療を受けることにさえピリピリして不安になったり、心的外傷後ストレス障害の症状が現れ始めたりすることがあります。遺伝により近親者ががんになるのではないかと不安になることもよくあります。こうした理由から、心理的なウェルビーイングをもたらす上で、心理士、精神科医、およびがんサバイバー支援団体が重要となります1-4。
寛解:がん治療後に完治したかどうかはどうしたらわかるのか
がんの完全寛解とは、がん細胞が画像検査や臨床検査で検出されなくなった状態のことです。一方、部分寛解とは、悪性腫瘍が縮小したものの、依然として存在している状態のことです。
治療終了から数年が経過しても病気の徴候が見られない場合、完治したとみなすことができます。これはがんの種類や重症度によって異なるため、完治の達成に具体的で明確な期間はありません。したがって、寛解が得られている場合でも、モニタリングのための診察を必ず受けることが重要です6。
がん治療後の再発リスク:予測は可能か
再発とは、治療後に病気が再び現れることであり、長期にわたり寛解が得られている場合でも生じることがあります。再発には、同じ部位にがんが再び現れる局所再発と、別の部位に現れる転移性再発があります。再発を予測することはできませんが、がんの種類によって他のがんより再発する傾向が高いものがあります7。
がん治療後は習慣を変えることが必須
がん治療後は、継続的な経過観察に加え、完全に回復するための健康的な習慣をいくつか取り入れる必要があります。がんの再発を完全に防ぐことは不可能ですが、がんになったことがない人と同様に、再発の可能性を低くすることはできます。二次予防のために取り入れることができる習慣には以下のようなものがあります8:
がん治療終了後1ヵ月目 - 白血球数は時間とともに正常値に戻りますが、免疫力は完全に回復していません。感染予防のためにできる対策には以下のようなものがあります5:
- 日光にあたりすぎないようにする。
- トイレに行った後や帰宅時には必ず手を洗う。
- 知らない場所や衛生管理が徹底していないと思われる場所での飲食は避ける5。
体を動かす - 運動の開始や再開についてかかりつけの医師と相談し、自分のニーズに合ったものを選択しましょう。運動は、気持ちをリラックスさせ、筋肉量や身体能力を回復し、生活の質を改善し、疲労を軽減するのに役立ちます9。
健康的な食事を取る - 他の慢性疾患や、肥満、高血圧、糖尿病、心血管疾患を発症する可能性を低くするために極めて重要なステップです。治療が終わり、寛解状態にある場合でも、以下のような健康のための重要なヒントを習慣化するようにしましょう8
:
- 農薬や化学肥料をできるだけ使用していない有機食品を選び、野菜や果物を食事に取り入れる。
- 筋肉の回復を助けるため、赤身肉、魚、シリアル、全粒粉パンなど、高タンパクで食物繊維が豊富な食品を摂る。
- たとえヘルシーさや低カロリーをうたっていても、成分表示を確認し、水添植物油、精製白糖、砂糖、ブドウ糖、コーンシロップ、ブドウ糖シロップが最初に記載されている食品は避ける。
- 高カロリー/高脂肪で、栄養価が低く、肥満になる可能性を高める超加工食品の摂取は避ける。例:クリームをサンドしたクッキー、即席めん、揚げ物、炭酸飲料、ケーキミックスなど。
- 調理する際、塩、油、砂糖の使用を極力控える。揚げるより焼いたり煮込んだりする調理法を選択する。糖分を加えていないジュース、お茶、コーヒーを飲むようにする。
- 喫煙や飲酒を避ける。
がん治療後の回復を助ける健康習慣については、かかりつけの医療提供者とご相談ください。
参考:
1 - Henry NL, Shah PD, Haider I, et al. 88 - Cancer of the Breast. Available at: https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/B9780323476744000888. Access on: October/2019.
2 - DeVita VT, Lawrence TS, Rosenberg AS. Cancer: Principles & Practice of Oncology. Available at: https://www.academia.edu/15496945/Cancer_-_Principles_and_Practice_of_Oncology. Access on: October/2019.
3 - National Comprehensive Cancer Network (NCCN). Clinical Practice Guidelines in Oncology: Breast Cancer. Version: 2.2019 Available at: https://www.nccn.org/professionals/physician_gls/pdf/breast.pdf. Access on: October/2019.
4 - Ruddy KJ, Partdiz AH. Approach to the patient following treatment for breast cancer.
5 - ABRALE: Brazilian Lymphoma and Leukemia Association (“Associação Brasileira de Linfoma e Leucemia”). The joy of a cancer remission (“A alegria da remissão de um câncer”). Available at: https://www.abrale.org.br/revista-online/a-alegria-da-remissao/. Accessed on January/2020.
6 - INCA: José Alencar Gomes da Silva National Cancer Institute (“Instituto Nacional de Câncer José Alencar Gomes da Silva”). Cancer Network (“Rede Câncer”). 40th ed. Available at: https://www.inca.gov.br/sites/ufu.sti.inca.local/files//media/document//rrc-40-versao-integra.pdf. Access on: October/2019.
7 - Brazilian Mastology Society (“Sociedade Brasileira de Mastologia”). When tumor recurrences or metastasis occur (“Quando ocorrem as recidivas tumorais ou metástases”). Available at: https://www.sbmastologia.com.br/noticias/quando-ocorrem-as-recidivas-tumorais-ou-metastases-2/. Accessed on January/2020.
8 - INCA: José Alencar Gomes da Silva National Cancer Institute (“Instituto Nacional de Câncer José Alencar Gomes da Silva”). Healthy lifestyle during and after cancer treatment/Healthy diet (“Estilo de vida saudável durante e após o tratamento do câncer/Alimentação saudável”). Available at: https://www.inca.gov.br/sites/ufu.sti.inca.local/files//media/document//estilo-de-vida-saudavel-durante-e-apos-o-tratamento-de-cancer-2017.pdf. Accessed on 10/10/2019.
9 - Cancer Institute of the State of São Paulo (“Instituto do Câncer do Estado de São Paulo”). Body in motion – physical exercise is an ally in the cancer patient rehabilitation (“Corpo em movimento – exercício físico é aliado na reabilitação de pacientes com câncer”). Available at: http://www.icesp.org.br/images/RevistaDez.pdf. Access on: October/2019.
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