がん患者さんが運動によって得られるメリット
がん患者さんの多くは、病気の進行や治療により、強い疲労を感じ、筋肉量が減少します1。また、一部の化学療法薬は、心血管疾患のリスクを上昇させます2。
がん患者さんの多くは、病気の進行や治療により、強い疲労を感じ、筋肉量が減少します1。また、一部の化学療法薬は、心血管疾患のリスクを上昇させます2。医師や科学者は、心血管疾患の予防や以下のようなその他多数の効果を得るために、治療中も体を動かすことを推奨しています3。
治療中に体を動かすことで以下が向上します:
- 生活の質(QOL)
- 筋肉量
- 筋力
- 有酸素運動能力
- 持久力
- 免疫力
- 日常活動を行う能力
- 柔軟性
治療中に体を動かすことで以下が減少/低下します:
- 吐き気
- 体脂肪
- 疲労
- 心拍数
- 入院期間
- 症状や副作用
- 安静時血圧
- うつ症状
- 不安
がん患者さんにとって体を動かすことが重要な理由
米国臨床腫瘍学会(American Society of Clinical Oncology)の研究により、75%の人はがんと診断された後に運動をやめたり減らしたりしていることが明らかになっています。最も多かった理由は、疲労、モチベーションの低下、痛み、および日常生活で運動を続けるのが困難になったことでした。1
また、がん患者は体を動かさずに絶対安静にすべきであるという思い込みも理由の1つとなっていました。しかし、絶対安静にすべきというのは正しくありません1,4。
体を動かすことのメリットは、運動の強度、病気の種類、および患者さんの健康状態によって個人差があります。
運動は、以下のような理由により、大腸がん、子宮内膜がん、および閉経後の乳がんの予防に役立ちます:
- ホルモンバランスを整える
- 消化機能を改善する
- 体の防御機能を高める
- 適正体重の維持を助ける5
最適なアクティビティを選ぶには?
これまで運動する習慣がなかった人には、運動を選択して定期的に実践するのはハードルが高いかもしれません。それでも、積極的に体を動かすという新しい生活習慣を取り入れていくことが重要です。以下に役立つヒントをいくつかご紹介します5:
- テレビを見たり、コンピューターやスマホをいじったりする時間を減らす
- テレビを見ながら、サイクリングマシンを使用することを検討する
- エレベーターではなく階段を使う
- できるだけ徒歩で行くようにする(ドラッグストア、スーパー、図書館など)
- 友人や家族を誘って一緒に運動を始める
- 歩数計のアプリを使って、1日の歩数を増やすことに挑戦する
- 仕事に行く場合は、昼休みにストレッチをし、職場の周辺を何周かする
- ウォーキング、サイクリングなどのサークルに参加する
- バスを使用する場合には、1つ以上前の停留所で下車する
- ダンス、縄跳び、およびスポーツをする5
1日30分行うことが推奨されていますが、それより少なくてもメリットがあることを示すエビデンスがあります。重要なのは、楽しんでできるものを選び、とにかく始めることです5。
運動を開始する場合には、必ず事前に主治医に相談するようにしてください。推奨されないアクティビティがあれば教えてもらえますし、どのように開始すればよいかアドバイスしてくれます。
引用文献・参考
1 - Sally A. D. Romero. Factors and barriers associated with changes in physical activity after cancer diagnosis. J Clin Oncol 35, 2017 (suppl 5S; abstr 162)
2 - 勝見 章.がん治療関連心機能障害(CTRCD)の最近の動向.血栓止血誌 2023:34(5):566-571 3 - American Institute for Cancer Research. Exercising during treatment. https://www.aicr.org/cancer-survival/treatment-tips/during-treatment/ [2025年5月閲覧]
4 - 日本リハビリテーション医学会.がんのリハビリテーション診療ガイドライン(第2版),2019
5 - (Brazilian) National Cancer Institute (“Instituto Nacional de Câncer”). Physical activity. https://www.inca.gov.br/causas-e-prevencao/prevencao-e-fatores-de-risco/atividade-fisica [2025年5月閲覧]
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