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がん患者さんの食が進まないとき:介護者へのアドバイス

化学療法は主ながん治療の1つですが、つらく不快な副作用をいくつも引き起こし、日常生活に影響を及ぼすことが多くあります1。食欲不振や摂食に関する問題は、多くのがん患者さんが直面する一般的なものであり、こうした問題は、がんによってもがん治療によっても起こることがあります1

がん患者さんの食が進まないとき:介護者へのアドバイス

化学療法は主ながん治療の1つですが、つらく不快な副作用をいくつも引き起こし、日常生活に影響を及ぼすことが多くあります1。食欲不振や摂食に関する問題は、多くのがん患者さんが直面する一般的なものであり、こうした問題は、がんによってもがん治療によっても起こることがあります1

バランスの取れた健康的な食事を規則正しく摂ることは、がん治療中に体力やエネルギーを維持する上で大きな役割を果たします2。しかし、がん患者さんに食欲がない場合にはどうすればよいのでしょうか?

患者さんがこれまでのように食べなくなり、食欲がなくなると心配になりますが、適切な食をきちんと摂るように促すためにできることがあります。

がん患者さんにとって栄養が重要な理由は?

がん患者さんには、適切な栄養補給が重要です2。健康的な食習慣と栄養のある食事は、患者さんががんの治療中や治療後に健康的な体重を維持し、体力をつけて、副作用を減らすのに役立つ可能性があります2

しかし、多くの合併症が栄養摂取に影響する可能性があります2

何が栄養摂取に影響するの?

化学療法や放射線療法などのがん治療の影響により、食事をきちんと摂ることが難しくなる場合があります。2食欲の低下に加えて、食べ物の味や匂いの感じ方も変化することがあります2

また、これらのがん治療は、十分な量の食事を取ることや、食べたものから体が栄養を吸収する能力にも影響することがあります2。これは栄養障害(重要な栄養素の不足によって生じる障害)を引き起こすことがあります2

食欲不振とは、食べたいと思う気持ちがなくなることを特徴とする摂食障害であり、がん患者さんによくみられる問題の1つです2,3。食欲不振は、がん患者さんの栄養障害を引き起こす一番の原因となっています2

悪液質とは、脱力、極度の体重減少、筋肉の減少および脂肪の減少を引き起こす障害です。がん患者さんによくみられ、食事や消化に影響を及ぼす問題の1つです2,4。がんの影響によっても治療の副作用によっても、食べることや体が栄養を吸収・使用することが難しくなる可能性があります2,4

また、悪液質はきちんと食事を摂っているがん患者さんにも起こる可能性があります。十分な食事を摂っているように見えても、腫瘍の増殖により、食べたものから体が栄養を吸収できず、脂肪や筋肉を蓄えることができない場合があります2。そして、体が吸収する栄養が少なくなるにつれて、蓄えた脂肪や筋肉が減っていきます4

がんに適した食事

上記のような副作用や合併症があると不安な気持ちになるかもしれませんが、いくつかの工夫が栄養状態の改善に役立つ可能性があります2

管理栄養士が患者さんやご家族の方と協力し、食事の仕方や内容、そして食事の頻度を変えることで、患者さんの栄養状態を改善することができます2

適切な量のたんぱく質やエネルギーを含む栄養価の高い食事を摂ることは、がん治療中の回復、感染症の予防、および十分なエネルギーの確保に役立つ可能性があります2

野菜や果物は、多くの必須栄養素やファイトケミカルを含んでいるため、健康に重要な役割を果たします5。色の濃い野菜や果物(ベリー類、マンゴー、ニンジン、ブロッコリー、ホウレンソウなど)は、抗酸化物質の優れた供給源であり、免疫系のサポートに役立つ可能性があります5

がん治療中に食べた方がよいもの、食べない方がよいものは?

特定の食品は、がんの症状や治療の副作用(特に吐き気)を悪化させる可能性があります。これらの食品と起こりうる反応を知っておくことは、食事の時間や調理方法を工夫し、がん患者さんの食が進むようにする上で役立つ可能性があります6

診断されたがんに応じて何を食べるべきかに関する詳しい情報については、本サイトの以下の記事をお読みください:

  • 肺がんの食事:肺がん患者さんのための健康な食事と食品
  • 健康をサポートする:前立腺がんにおける食事のヒント
  • 栄養について:大腸がんにおける食事のアドバイス
  • すい臓がんにおける食事と栄養摂取に関するガイドライン
  • 乳がんの食事:乳がんに適した食事
  • 肝臓がんの食事:肝臓がんになったときの食生活の改善

ご家族ががんになったり、がん患者さんの介護をしている方は、治療中に食べた方がよいものや食べない方がよいものについて、医師または管理栄養士などの医療チームにご相談ください。

がんと食欲不振

がんやがん治療の副作用により、患者さんが必要な栄養を摂るのが難しくなるだけでなく、食事を食べること自体が困難になることがあります。

吐き気と嘔吐は、最もよくみられる代表的な副作用であり、多くの場合、食欲不振につながることがあります7。また、味覚や嗅覚の変化、疲労、および口や喉の問題などの副作用も、食事を摂りにくくし、食欲を低下させる可能性があります7,8

がん治療によって患者さんが食欲をなくしていないかどうかを示す、注意すべきサインがいくつかあります。体重の変化や、好物を急に食べなくなることは、食欲不振のサインとしてよくみられます9

食欲不振は、栄養不良や栄養障害につながることがあります9。その結果、患者さんは体重や筋肉量が減少し、場合によっては長期的な栄養障害により深刻な合併症が生じる可能性があります9

患者さんによっては、栄養障害の徴候や症状の一部しかみられないこともあるため、よく注意することが重要です。食べ物に対してほとんど、あるいはまったく興味を示さないのは、栄養障害を示唆するサインである可能性があります。

詳しくは、My Cancer My Nutrition内の関連情報ページをご覧ください。

がん患者さんに適切な食事を取ってもらうようにするには

がん患者さんが何も食べる気が起きないときに、介護者が手助けすることが重要です。

がん患者さんに、エネルギー、たんぱく質、および水分の摂取を維持するよう促すためにできることはいくつかあります。

  • 食事の量を少なくして回数を多くすることが役立つ可能性があります8。量の多い豪華な食事は、患者さんにとってプレッシャーになり、かえって食が進まなくなることがあります。代わりに、1日を通じて患者さんが食べたくなったときに少なめの食事やおやつを出すようにすることが役立つ可能性があります8,10
  • 患者さんが食べたい気分になったときは、それを活かすようにしましょう。患者さんの好きな物を出し、食べられるだけ食べるよう促します11。その際、できるだけ栄養バランスが取れている栄養価の高いものを食べてもらうようにしましょう8
  • 患者さんは時として、丸一日、食事を摂る気が起こらないことがあります。このような場合は、食事時間のスケジュールを作成し、1日のうち患者さんが比較的食欲のある時間帯に、時間を決めて少量の食事を複数回摂るよう計画することが役立つ可能性があります8
  • 患者さんに吐き気がある場合は、水分の少ないもの(トーストやクラッカーなど)や、軽めのもの(薄いスープなど)を食べるよう促しましょう8
  • 辛いものなど、胃に負担をかける可能性がある刺激の強い食品は避けるようにしましょう8
  • 患者さんの食が進むようにするもう1つの方法は、美味しそうにみえる食事を作ることです8。彩りのよい、いろいろな食感の食材を使った食事作りを心がけましょう10
  • 患者さんに吐き気がある場合は、気分が悪くなりそうな匂いのもの(匂いの強い揚げ物など)は避け、常温や冷えた状態で出すようにし、換気を良くしましょう8
  • 気が散るものが周囲になく、リラックスした雰囲気の快適な環境も役立つ可能性があります8

無理強いせず、患者さんの好みを聞いて、辛抱強く向き合うことが重要です。苦戦していると感じた場合には、患者さんの医療チームに相談しましょう。医療チームは、どのような食事を用意すればよいか、また、患者さんに食べてもらうにはどうすればよいかについて、役立つアドバイスを提供してくれるでしょう。

がん患者さん向けの栄養補助食品

がん患者さんは、時として食べることが難しい場合があります。そのような場合には、栄養補助食品を食事の代わりとして摂ることができます11

がん患者さんが不足している栄養を補給し、エネルギーや体力を維持するのに役立つ可能性があります。

たんぱく質の補給のために、市販のプロテインパウダーやホエイプロテインを含んだ栄養補助飲料もあります。一般的に、これらは消化しやすくなっています。

こうした製品は食事のサポートとして優れてはいますが、栄養補助食品は必ずしも長期的な解決策ではないため、がん患者さんは必ず栄養士に相談することが重要です。栄養士などの医療者は、がん患者さんをサポートする上で役立つ可能性のある専門的なアドバイスを提供することができます。

がん病態栄養専門管理栄養士に相談するタイミング

がんや治療により栄養摂取に問題がある患者さんは、食事でできるだけ栄養を摂るのに手助けが必要な方もいれば、体重や体力の維持にサポートが必要な方もいます。できるだけ早くがん病態栄養専門管理栄養士に相談する必要があります。

がん病態栄養専門管理栄養士は、がん患者さんの治療において重要な役割を果たしています13。彼らの役割は、治療全体を通じて、症状管理、体重管理、および最適な栄養状態の維持に重点を置いた医学的な栄養療法を提供することです12

がん患者さんに食べてもらうことに苦戦している方は、お近くのがん病態栄養専門管理栄養士に遠慮なく相談しましょう。

My Cancer My Nutritionでは、がん患者さんの食事や栄養補給に関する詳しい情報を提供していますので、是非その他のページもご覧ください。

 

引用文献・参考

1 - 丸山道生.化学療法の栄養面でのかかわり.がん病態栄養専門看護師のためのがん栄養療法ガイドブック2019(改訂第2版),p31₋40,南江堂,2019.
2 - National Cancer Institute. Nutrition in Cancer Care.  
https://www.cancer.gov/about-cancer/treatment/side-effects/nutrition [2025年5月閲覧]
3 - Hossein, S. A., Bahrami, M., Mohamadirizi, S., & Paknahad, Z. Investigation of eating disorders in cancer patients and its relevance with body image. Iranian journal of nursing and midwifery research, 20(3), 327–333. 2015. 
4 - Healthline. Cachexia and cancer. https://www.healthline.com/health/cachexia [2025年5月閲覧]
5 - Cömert, E. D., Mogol, B. A., & Gökmen, V. Relationship between color and antioxidant capacity of fruits and vegetables. Current research in food science, 2, 1–10. 2019.
6 - WebMD. How to Eat When You Have Cancer. Updated 2020. https://www.webmd.com/cancer/cancer-diet [2025年5月閲覧]
7 - National Cancer Institute. Appetite Loss and Cancer Treatment. https://www.cancer.gov/about-cancer/treatment/side-effects/appetite-loss [2025年5月閲覧]
8 - Macmillan Cancer Support. Tips for managing eating problems. 
https://www.macmillan.org.uk/cancer-information-and-support/impacts-of-cancer/eating-problems/tips-for-managing-eating-problems [2025年5月閲覧]
9 - National Health Service. Malnutrition. https://www.nhs.uk/conditions/malnutrition/symptoms/ [2025年5月閲覧]
10 - Mayo Clinic. No appetite? How to get nutrition during cancer treatment. https://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/cancer/in-depth/cancer/art-20045046 [2025年5月閲覧]
11 - Harvie M. (2014). Nutritional supplements and cancer: Potential benefits and proven harms. Am Soc Clin Oncol Educ Book 2014:e478-86.
12 - WebMD. What Is an Oncology-Trained Dietitian? https://www.webmd.com/ovarian-cancer/oncology-trained-dietitian#091e9c5e8243c20f-2-4 [2025年5月閲覧]
 

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